DETAIL
ブロックチェックのライニング付きシャツJKT
コットンフランネルと言うのはいわゆる「ネルシャツ」の素材です。
私がファッションに興味を持った90年代
古着屋さんのレギュラーコーナーには多くのネルシャツがありました。
2,800円〜3,800円で大量に売られていたネルシャツの中にブロックチェックが何色も、たくさんあったのが印象的です。
当店のプロダクトは今売れそうな服を作ってる訳ではありません。
ファッションに興味を持ってからの30年
しおりのように脳裏に残された服
そのイメージを今なりに表現したいと具現化してるプロダクトが多いような気がします。
縫製は全て日本です。
話は戻りましてあの頃のネルシャツはただのシャツです。
稀にキルティングライナーが付いた防寒性を高めたモデルもありました。
もちろんそのモデルに価値がある訳でも無く、普通のネルシャツに混ざっていました。
昨年の生地屋さん展示会であの頃のアメリカ的ブロックチェックをやっと見つけた所からこの企画は一気に進みました。
作る形は当店のオリジナル型シャツ2ポケットスタイルのユーティリティ改
これをイメージのベースに型は完全に作り直しました。
安っぽいあの頃の感じの空気感があるキルティングライナー付きのブロックチェックシャツを作る企画はサンプル制作に入ります。
それから数ヶ月
全くサンプルが出来てこない…
理由はキルティングライナーに使う中綿が出来てこないからでした。
安っぽいと言いながらも、うちのお客さんは変人、奇人ですので市販のキルティングなんて使ったら鼻で笑われます。
そこでキルティングライナーを作ると言う非常に面倒で、手間のかかる作業をしました。
中綿も安物なんて使わずに、安心のシンサレートから薄手を採用
裏地になる布はそれこそ安物を使えばですが、ポリエステルの撥水加工されてるちょっとしたポリの上着レベルを採用
昨年制作したレーシングジャケットのインナー素材と同じです。
気がつくと安っぽいからいつもの1円もケチってない本気の作り込みで制作していました。
サンプルが仕上がるとまあ良い表情をしている。
ちなみにコットンは縮みます。
ポリエステルとシンサレートをキルティングステッチで止めた中材とは縮率が違います。
洗濯を考えますとこれではダメです。
そこでコットンフランネルを裁断前に洗いました。
ある程度の縮みを出した生地から裁断する事でトラブルを最小限にしています。
1stサンプルを着てみると安っぽいを完全に切り捨てって、もっと作り込みたくなった。
そこから修正点を探します。
つい手を入れるポケットを探している。
この無意識の動きこそが次のサンプルへの方向性です。
まずは脇にポケットを付けてシャツ→シャツJKTにする事にしました。
簡単に言うとアウターです。
ポケットの付け方はあくまでもシャツに見えるように目立たせない方法
脇のステッチにポケット口を作ってポケット袋布のステッチを表地に出さない
ポケットに手を入れたらキルティングステッチが気になる
特に冬場のカサカサした手には引っかかり禁物です。
キルティングステッチと中綿をいれてないポリエステルの共布を手の甲側に採用
内側はコットンフランネルです。
これは無駄にボリュームを出さない為でもあります。
それとこの数年で大きくなったサイズ感を今年の秋冬から身幅をメインに少し戻しています。
サイズが小さい訳では無くて、無駄に大きくしないシルエットに調整をしています。
今作のディテールを紹介しますと胸ポケットが2つなのでうちなりのバランスとして付け位置は下目で少し長めのポケットです。
大きめもスマホも余裕で入るサイズです。
ポケットのフラップにはキルティングライナー採用して少しボリューム出しています。
正面から見てペタッとしないようにアウターなので凹凸と言うか、立体感を出すようにしています。
アウターならただのシャツ型では面白くない
ハンティングジャケットの匂いをさせる為、悪目立ちしないように共布で肘当てを付けました。
この肘当ての付け位置は袖丈のバランスを考えながら、
ある程度の人の肘にちゃんとなるように考えて位置決めをしています。
袖先が筒袖である事も当店のプロダクトらしさです。
重ね着が増えると袖先が大渋滞となります。
これが着心地の悪さにもなりますのでカフスは付けていません。
最小限の摩擦で服を着れると着心地は良くなります。
筒袖にする事で袖が長いと思ったら簡単にめくって着れます。
と言うよりも、キルティングを少し見えるようにめくって着ると洒落た感じになります。
衿は小さめが好きなので小ぶり
この裏にもキルティングライナー採用してますからペタッとしないふんわりした衿となっています。
このミドルウエイトのアウターは現代人の生活に合うと思っています。
サイズ詳細(cm)
サイズM 肩幅48 身幅56 着丈73 袖丈58
サイズL 肩幅51 幅59 着丈74 袖丈60
サイズXL 肩幅54 身幅60 着丈74 袖丈60
*洗濯機で洗濯できますが、乾燥機には入れないでください。
干す時に形を整えてハンガー干しをしてください。
*記載サイズよりも裏地ありなので実寸は小さくなります。
いつものサイズでお選びください。